こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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今日は『父の日』
───ということで、パパになった蓮のお話です。


このお話には、オリジナルキャラ(蓮とキョコの子供)が登場します。
苦手な方はご注意ください。

子供のころに出逢った妖精界の王子さまは、髪と瞳の色を変えて16歳になった私の前に現れた。

優しいだけじゃなく時に厳しく諭してくれる。
頼りになる先輩は、甘える事を許してくれた特別なヒト。
ほんの少しだけ距離を縮めた17歳。

「嫌いじゃない」はいつの間にか「嫌われたくない」に変わり、
憧れは、いつしか恋へと変化する。
自分自身も気付いていなかった感情。───好きだと気付いた18歳。

彼には好きな子がいるのだから───。
一緒にいれるだけでいい。それだけでよかったのに……。
笑顔を向けられるたびに、この人を一人占めしたいと欲が生まれ、優しくしてもらえる程に胸が苦しくなる。
気持ちにキリをつけたくて、好きだと告げた19歳。

砕け散る予定だったその想いに、あなたがくれた「愛している」の言葉。
幸せで、夢の様な日々。
「ずっと一緒にいたい」
その言葉が私からのプロポーズと受け取られ、籍を入れた20歳の夏。

彼の育ったアメリカの小さな教会で、先生とジュリエナさん。4人だけの結婚式は21歳の誕生日に。

そして22歳になった今、 私は“お母さん”になった。


「おめでとうございます。可愛い女の子ですよ」


幸せな日常 ~こんにちは、赤ちゃん~


「それじゃあ、行って来るね。無理はしない様に。何かあったら必ず連絡する事!」
「は~い。わかってます」

「行って来るね。3日後には戻ってくるから、ママのお腹でいい子でお留守番していてね」

行ってらっしゃいのキスの後、大きなお腹にそっと頬を寄せ、お腹の赤ちゃんに話しかける。それが最近の日課。
赤ちゃんもちゃんとお腹を蹴ってお返事をしてくれるから、嬉しくてたまらないみたい。



「それじゃあ敦賀さん、本当に育児休暇とるんだ」
「うん。絶対に立ち会いたいからって」

赤ちゃん誕生の瞬間を私と一緒に迎えたい。
妊娠がわかった時から休みを宣言していた彼は、今回のアルマンディの仕事を最後に長期のお休みに入る。

「相変わらずね。でも嬉しいでしょ?」
「えへへ。───つっ!」

「なに?!どうしたのよ」
「うん…。ちょっとお腹が…。昨日から張ってて」

「ちょっと!大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫」

「……本当に?もう帰った方がいいんじゃない?」
「本当に大丈夫だから!もう何ともない!」

これは、嘘じゃない。だって今は何ともないもの。
昨日から時々痛くなるけど、朝もちょっとだけ出血していたけど。まだ予定日まで一週間もあるもん。
これはきっと、昨日張り切ってお掃除し過ぎたせい。

「ならいいけど…。また痛くなったらちゃんと言ってよ?あんたと子供に何かあったら敦賀さんに何をされるか!考えただけでも恐ろしいわ!」



ブラブラと可愛いアクセサリーの店を見たり、赤ちゃんの洋服をみたり、おしゃれなカフェでお茶もして。
モー子さんとのデートはやっぱり楽しい。
お腹は時々痛むけど、ちょっと我慢すればすぐに治まるし。

大丈夫…………。


「美味しかったね、ケーキ」
「……本当、憎いほど美味しかったわ。おかげで食べすぎ───キョーコ?」

周期的にくる痛み。今度は立っていられないほどで思わずその場にうずくまった。

「痛……、お腹痛い……」


***


病院での診察で、陣痛が始まっていると言われそのまま入院、病室待機となった。
朝の出血は“おしるし”だったらしく、きちんと連絡をしなさいと先生に、そして無理をするなとモー子さんにも叱られ、しゅんと項垂れる。

「社さんに連絡したんだけど通じないのよ。メールはいれておいたんだけど」
「うん。ありがとう、モー子さん。彼が知ったら飛んで帰ってきちゃうかもしれないからちょうどいいよ。それよりモー子さん、明日ロケで朝早いんでしょ?もう大丈夫だから」

「でも……」
「大丈夫、大丈夫。お土産買ってきてね。この子の分も」

ポーンと軽くお腹を叩いて明るく笑う。心配そうに病室を後にするモー子さんを見送りベッドに腰掛けた。

一人きりになった病室。 突然孤独と不安が押し寄せてくる。


「‥っ!」


間隔が短くなるたびに、増していく痛み。


痛い、痛い、──────怖い。


「ふぇっ……」


涙がポロポロ零れ落ちる。

怖い。怖いよ、敦賀さん。
一緒にいてくれるって言ったのに、どうしてここにいないの?
一人ぼっちじゃ耐えられないよ。


「キョーコ!!」

慌てた形相で病室に駆け込んできた彼の姿を捉え、ベッドから飛び起きてその胸にしがみつく。

「つるがさ~~んっ!!」

「も、モー子さんも帰っちゃうしっ……ひとりぼっちだし……お腹痛くて息も出来ないしっ……。敦賀さんはいないしっ……こ、心細かったよぉ~」
「うん。ごめんね、一人にして。もう大丈夫だから」

子供のように泣きじゃくる私の背をそっと優しく撫でる彼のあたたかい掌。
その温もりと優しい香りが鎮静剤のように、私の心を落ち着かせていった。



  



頬を撫でる柔らかい風に、浮上した意識。

「眼、覚めた?身体は辛くない?」
「敦賀さん……」

起き上がった私の視線の先には。
ベビーベッドの中で、すよすよと眠る小さな可愛いお姫様。

「さっき、看護師さんが連れてきてくれたんだ」
「…可愛い…」


「小さい手だね、二人でしっかり守ってあげないとね。…あっ」

グーの形に握られていた手がほんの少し開き、彼の指をきゅっと握る。

「ずるい~。私も」

つんつんと小さな掌をつつくと、その手はゆっくりと開き私の指を握り締める。

3人、初めて繋がった瞬間。
言葉を交わすことなく、ただずっとその寝顔を見つめた。


「あ、起きそう」

ぎゅっと眉に皺を寄せ、ゆっくりと瞼が開かれる。
その瞳は、まだ私たちを見る事はできないけれど。
こんにちは、お姫さま。
あなたのパパとママだよ。

「「あっ!!」」

二人同時に声をあげ、同時に顔を見合わせる。

開いた瞳は、パパと同じ深い碧。


「もうパパは大丈夫でしょ?って、娘からのメッセージかもね」

お姫様を抱き上げ、呆然と立ちつくす彼の腕へ委ねる。
一瞬の躊躇。
だけどその瞳にはすぐに決意の色が浮かんだ。


これからは。
私も「敦賀さん」じゃなくて、「久遠」って呼べるようにしなくっちゃね。

「ね、久遠?」


fin




キョコたんは、なんとなく結婚しても「敦賀さん」って呼びそうな気がするんですよね。

そして私、子供を産んだことがないので「これはおかしい」と思っても突っ込みなしの方向で(笑)

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2010.06.20 / Top↑
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