こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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スウィート・ムーン の 山崎由布子様 とリンクさせていただきました。

他ジャンルも扱っていらっしゃるサイト様で、仲村先生作品では、‘スキッピビート’の他に‘東京クレイジーパラダイス’のお話も書かれてます。
スキビサイトとしてはまだ始めたばかりなのだそうですが素敵なお話満載ですよw

そしてそして、私ちゃっかり素敵なお話を頂いちゃいました。

山崎由布子様!
ありがとうございました。これからも宜しくお願い致します。


沈黙は肯定


 目の前を、横を…スタイルの良いモデルと見紛うばかりの女の子が通り過ぎて、誰もが一瞬…目をやる。
場所はTV局なのだから、モデルの一人や二人…歩いていても不思議ではない。
今話題の『BOX〝R″』で、イジメ役ながらもその美しさやモデル並みの歩き方などで注目度の高い『ナツ』。その人…京子である。
収録を終えたばかりでまだ『ナツ』が抜けていない様子のキョーコは、軽い足取りでにこやかな笑顔を振りまきながら歩いていた。しかし、その笑顔に見惚れて足取りを止めてしまう者も数え切れず……。
 そして局の建物を出た所で聞き覚えのある声がした。
「京子ちゃん。久し振り!」
「貴島さん! お久し振りです」
 笑顔で答えるキョーコだが、貴島の知っている『京子』であり『未緒』とはかなり違う。
 『京子』なら丁寧にお辞儀するところを、軽く斜めに頭を下げる今風の女子高生の挨拶だ。
 貴島は、見ようによってはかなり不躾な感じで、キョーコの頭のてっぺんから足の先までをじっくりと見た。
「やっぱり『ナツ』って『未緒』とも違うな…。『未緒』だってイジメ役だが、『ナツ』はモデル張りだな…」
「ええ…違いますよ。私が目指した『ナツ』はモデルのようなカリスマ女子高生ですから…」
 ニッとした笑いで艶やかな微笑を浮かべる『京子』は、貴島の知らない女の子だ。
 キョーコも初めは監督に『未緒』を求められた。でも、それでは違うと悩んだ中から、今の『ナツ』が生まれた。それでも、『敦賀蓮』というモデルもこなす先輩あっての事…。一夜の特訓が『京子』の中から『ナツ』を作り上げた。
「成程…。…で、あの状態か…」
貴島は局のロビーをガラス越しに見た。ある意味、被害者続出…ってとこか?
「それでだな、『Dark moon』の時より、ちょっとばかし色気の出た京子ちゃん、やっとアイツと…敦賀君と付き合い出したってホント?」
 こればかりはオフレコと、キョーコの耳元で貴島が呟いた。
「なっなっなっ…何の…事…で…ござい…ましょうか!?」
 テレビ局の入り口から少し離れた場所とは言え、人が居ない訳ではない。
 キョーコは嘘を吐き通せない性格ゆえに、返事をしようとして余計に怪しい答えっぷりとなる。そして『ナツ』の仮面が剥がれてキョーコの素が出てしまう。
「ぶっ! 京子ちゃんに戻ったね」
 貴島は口元を押さえて笑い声を堪えた。
 貴島の目の前には、真っ赤になってうろたえる京子がいた。
「…いやな、『Dark moon』撮影中からさ、敦賀君が君にベタ惚れだってのは…一部じゃ噂になっててさ、『芸能界一抱かれたい男№1』に見染められてるって割には、京子ちゃん…気が付いて無かっただろ? それに加えて、軽井沢もだし、バレンタインデーもだけど邪魔入りっぱなしでさ、『敦賀蓮を応援する会』なんてのも秘かに出来てた訳…」
「『敦賀蓮を応援する会』?」
 キョーコは復唱しながら声が裏返っていた。
「『№1男』に『応援する会』なんて笑っちゃうけどさ、それだけ京子ちゃんが鈍感だったって事…」
 貴島はニマニマと楽しそうにキョーコを見つつ、半分は思い出し笑いもあるのだろうか…笑いは止まらない様子。
「でもさ…最近京子ちゃんの演技にちょっと色気が出てきたなぁ…と思ったら、『Dark moon』の元共演者仲間から、二人が内緒で付き合い出したって聞いてさ、ちょっと確認しとこうと思った訳…。『敦賀蓮を応援する会』の副会長としては…」
 キョーコが恥ずかしさとどう答えて良いかとで俯いてしまうと、身長差から…
貴島は首を傾げるように覗き込んだ。
「あっあっあのぉ………」
「別にどっかでばらすとかしないからさ…。『応援する会』だって、収録が終わるまでにくっつけば良いと思ってやっかみもあったんだけどね」
「やっかみ?」
「そう。だって敦賀蓮があれだけ笑顔見せといて、『後輩ですから』って…、女性スタッフがどれだけ羨ましがっていたか知らないだろう? まだ共演者は演じながらだけど近くに寄れるが、京子ちゃんの近くに居る率…共演シーン以外でも断トツに多くて羨望の的だったぞ。それと、敦賀君。前に共演した時よりも表情が豊かになってたな…。京子ちゃんのお陰か?」
「…………」
「沈黙は肯定…かな?」
 真っ赤に…それこそ耳から首まで真っ赤になってしまったキョーコには、どう答えて良いか分からなかった。
 一応…2人の付き合いは、会社の一部のみの極秘ということであり、否定の言葉を言いたいのだが、火照ってしまっている顔は正直に答えてしまっている様なもので……。
「でもさ、京子ちゃん…マジで綺麗になったな。良い付き合いしているって事だ」
 キョーコが上目遣いに貴島を見ると、貴島の心臓が一瞬跳ねた。さっきまでの『ナツ』とは違うキョーコの初々しく可愛らしい表情に、ギャップがあり過ぎた。
 ……オ…オイオイ。どうして俺が…って、敦賀君もコレにやられた口か?
「まあいいや。今ので付き合っているって分かったから…。『応援する会』も解散だな…。でもアイツ相手だと、大変じゃない?」
 貴島としては一応心配をしているらしい。そこに話題のもう一人の主が声を掛けて来た。
「最上さん? そこに居るの、最上さんじゃ…。貴島君?」
 初めにキョーコの名前を呼んだ時とは違って、貴島の名を呼ぶ時には蓮の声と共にすっと気温が下がった様な気がした。
「貴島君はどうして此処へ?」
 蓮の声のトーンが明らかに少し下がる。貴島が女の子には軽い男だと知っているからだ。
貴島が顔を引きつらせて一歩下がる。
別に悪い事をしている訳では無いのに逃げ出したくなる空気に、貴島はどうにか言葉を絞り出した。
「ひ…久し振りに京子ちゃんに会ったから、ドラマの感想などを言ってだな…」
「ホント? 最上さん…」
「はい! 『ナツ』カッコイイねって言って貰いました!」
 キョーコも蓮の機嫌が悪くなるのを止める為に、若干のニュアンスを変えつつ答えた。
「そうなんだ。『ナツ』はモデル並みのカリスマだからね…。俺もその手伝いはしたけれど、仕上げたのは最上さんだからね…」
 キョーコを見る時には蓮の言葉には優しさが戻っていた。
「最上さん、仕事終わりなら送って行こうか? 俺も今日は早めに終わったし…」
 蓮の言い方は、尋ねる様で…既に手を差し出して迎えている。そして、貴島はもう蓮の範疇に無い。
「じゃあ、貴島君、また…」
「お、お疲れ様でした。貴島さん」
「じゃあ行こうか。最上さん」
 2人…と言うよりも、蓮が去って気温が戻ってきた感じで、貴島は肩から脱力した。そして思いっ切り深い溜息を吐いた。
「……あ…あんなの相手にしていたら、普通はもたんぞ…。……京子ちゃん…、頑張れよ!」
 見えなくなったキョーコに向かってエールを送る貴島だった。
 そしてキョーコは車の中で、蓮に貴島との真相を追及されると事細かく話す羽目となり、『敦賀蓮を応援する会』についてまで話してしまった。
「…それって、キョーコ、君の所為だからね…。これから充分にお仕置きしてあげる…」
「…そ…そんな……」
 『夜の帝王』に勝てる訳もないキョーコは、ヒッと顔を引きつらせて蓮の車に乗せられて行ってしまった。
 後には合掌をする貴島が残されていた。


                                    
            《 fin 》




連れ去られたキョコちゃん。帝王にあんなことやこんなことされちゃうんですよ。
むふふ。

「敦賀蓮を応援する会」
影の会長は社さんですよね、きっと。




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2010.07.02 / Top↑
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