こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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こんな雨の中‥、どこに行ってしまったんだろう‥?

ネオンも消えた真夜中の街。
仄暗い街灯だけを頼りに、あてもなく彷徨う。

傘を打つ雨音がやけに大きく聞こえた。



“父さんの手は大きすぎてまだ自由に空を飛んだことはないんだ”


敦賀さんは、コーンじゃない。
コーンじゃないけど……。


“大切な存在は作れない、───どこに居ても…”


そう語った時の敦賀さんのあの辛そうな表情が、あの日のコーンに重なる。

敦賀さんは、BJの撮影が始まってから───、ううん。カインとして過ごし始めたあの日から、……どこかおかしい。


放たれた矢の様に、風に乗って闇の中から飛んでくる。
音も無く、気配を殺し、獲物に迫り、つき刺さる。
心臓(こころ)を持たない黒の魔物。
それが、殺人鬼・BJ。

常軌を逸したその演技に、共演者はもとよりスタッフさえも、恐怖に怯え震えあがる。

BJ…カイン・ヒールが、“敦賀蓮”であるなんて微塵も感じさせない。
完璧な演技。


演技のはずなのに───。


撮りが終わった後も、敦賀さんは闇に囚われたまま。
初めは役に入り込んでいるからだと、そう思っていた。


「兄さん、お疲れ様。格好良かったよ」


無邪気に腕に絡みつけば、何事もなかったように“カイン”に戻って笑顔もみせてくれる。


だけど───。


私、気付いてしまった。
演じた後のあの苦しそうな、何かに怯えている様な表情に。
毎晩のように、うなされていることに‥。


敦賀さん。
私、敦賀さんの辛そうな顔は、みたくないんです。

私じゃ役に立たないかもしれないけれど、苦しみを、一人で抱え込まないで…?
少しは、私に甘えてください。

私は、あなたの“お守り”なのだから。



探して…
(桃色無印 きゅ。様)




瞳を閉じれば、あの日の光景が鮮明に甦る。
意識なく横たわる黒髪の男、大量に流れる鮮血。

「人殺しっ!!!」

糾弾する女の声。
呼吸もままならず、もがくように飛び起きた。


まただ───。
またあの日の夢……。

汗でべったりと貼りついた前髪を掻きあげ、長い息を吐く。

殺人鬼BJを演じると決めたあの日、覚悟を決めたんだ。
もう過去から逃げないと。

だけど、……俺は甘かったのかもしれない。
演じる度に闇に蝕まれていく心。だんだん今の“俺’消え、あの頃の“俺”が心を支配する。黒い深い闇へと、落ちていく。


それでも、‘敦賀蓮’を保っていられたのは───。


スースーと、穏やかな寝息を立て眠る彼女。
セツ───、最上さんがいなかったら、俺はきっと闇に囚われたまま戻ってこれないだろう。

「ありがとう‥、最上さん‥‥」

眠る彼女の長い髪を掻き上げようと、手を伸ばしたその時‥、

「……っ!!……」

暗闇から現れた、血にまみれた掌。

あいつじゃない。
これは……、この手は───。



     血ニマミレ、汚レタコノ手デ、彼女ニ触レルキカ?
     オマエニ幸セニナル資格ナンテ、ナイダロウ?



俺は───、

俺だけが、幸せになることは許されない……。



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2010.07.28 / Top↑
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