こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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3-2

前方に見えてきた建物に気付いた彼女が、身を乗り出すようにフロントガラスにへばりつく。
クルリ、振り返る彼女の瞳は期待に満ちていて。
「正解」とほほ笑めば、はちきれんばかりの笑顔を見せてくれた。

おうちに帰ろう~Sweet home~


「うわぁ───。わたしっ!私、初めてなんです。一度来てみたかったんです!」

ゲートをくぐるとそこは、夢と御伽の国。
キャラクター達のお出迎えに、彼女の興奮ボルテージはぎゅんぎゅん上昇していく。

「これ、モー子さんのお土産にしようかな?」
「あ、こっちはマリアちゃんが好きそう。」
「わー、これ。可愛いっ!」

異国情緒あふれる建物が軒を連ねるメインストリートで、
ショップのウィンドウを覗きこんでは、キラキラと瞳を輝かせる。

よかった。
喜んでくれて。

先日、食い入るように特集記事を見ていた最上さんに気付いた時から、秘かに計画していた事。
誘うキッカケを探していた時に起こった、湯上りバスタオル事件。
“お仕置き”と言う口実を使ったのは、「遊びに行こう?」と誘ってもこの子は遠慮するだろうと思ったから。


「どこから行きたい?」

ゲートで貰ったMAPを片手に尋ねれば、返ってきたのは予想通りの答え。

「お城!!シンデレラ城が見たいですっ!」

子供の様に無邪気な笑顔で、
「コーン、はやく!」と、急かす様に背中を押して走り出す。


“コーン”


昔の様に、ごく自然に呼ばれた、俺の本当の名前。

いつの日か……。
君に真実を告げたる日が来たら───。
その時も今と同じように、俺の名を君は呼んでくれるだろうか………。



「ここ、昔はアトラクションがあったらしいね?」
「そうですね…。お城の中に入れたみたいです。入ってみたかったなぁ…」

お城の通路にあるアーチ型壁画。
シンデレラの名場面が描かれたその壁画を、うっとりと眺める彼女。
きっと彼女の思考は今、お城の広間へとトリップしてるのだろう。

願わくば───。

ドレスを着た彼女が手を取る王子様は、俺でありますように。


「行きましょう? 私、カル―セルに乗りたいです。」





「俺も…、乗るの?」
「勿論ですよ。一緒に乗らないと楽しくないじゃないですか。私はやっぱりかぼちゃの馬車がいいな~。コーンはこれ!この青い馬ねっ」

「…一緒に乗ったらダメなの?」
「だって、王子様は白馬に乗って颯爽と現れるものですよ?」


色とりどりに飾り立てられた白馬が、オルゴールの音色に合わせゆっくりと回転を始める。

天蓋に描かれたシンデレラの物語を楽しそうに眺める彼女。
俺の視線に気付くと、にこりと笑って手を振ってくれる。


王子様は、白馬に乗って───。


その言葉に、深い意味はないのだと思う。

“コーンは妖精界の王子様だから”

多分、そんなところだろう。
“敦賀蓮”に…
俺に言った言葉じゃない。

だけど。

それでも───。



「姫、お手をどうぞ?」

馬車から下りる彼女に向かい、
まるでダンスを申し込むかのように手を差し出す。

「ふふ。本当にお姫様になったみたいです。」

重ねられた手の温もり。
はにかんで、ほんのり桃色に染まる頬。

ホントに、どうしてくれようか。

思わず引き寄せて抱きしめてしまいそうになる衝動を押さえ、ゆっくりと歩き出す。

「次はどれに乗る?」
「白雪姫!その後はピーターパンがいいです。」


**


夕日が作る長い影。
2つの影は、寄り添うように重なり合う。

いつの間にか、どちらともなく繋いでいた手。

この手は…、離さない。


NEXT 3-3




あとがきという名の言い訳。

お話の中の某Dランドのカルーセルには、白馬だけで馬車はないです。(確か‥)
蓮と一緒の白馬にまたがるキョコでもいいかな、と思ったのですが、
どーしても馬車から下りるキョコに手を差し出すコーンが書きたくて、勝手に登場させてしまいました。

このシーンの為に、蓮をコーン仕様にしたものですから(笑)
「王子様」って言わせたかったのです。

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2010.09.13 / Top↑
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