こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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このお話は、「永遠よりずっと」の番外編、付き合い始めた二人のお話です。


永遠の物語  ~ヤキモチやきの恋人~


───どうして隠れるんだ……。

物凄い形相でこちらへと向かって歩いてくる彼女を見て咄嗟に身を隠す。
そんな俺に気付くことなく、ブツブツと文句を言いながら早足で突っ切っていくキョーコ。

あれは……、そう────。
バレンタインの時の様に……不破に、脳内を占拠されている表情(かお)。

「───っ───」

拳を握る手に力が入る。
復讐なんて、もう忘れていると思っていたのに…………。
君はまだ……あいつにとらわれているのか?


「……蓮……」


二人がいなくなっても、社さんに声をかけられても……。
俺はしばらく動くことも、振り向くことさえも出来なかった。

誰がみても、カップルのじゃれあいにしか見えなかった二人。
過去はどうあれ、今のキョーコが不破に恋愛感情を持っていない事は分かっている。
だけど不破は……?

普段の不破からは想像もできない子供の様な無邪気な笑顔……。
去っていく彼女をみつめる優しい瞳。
それは───、キョーコにしかみせない、あいつの……。
不破松太郎(ほんとう)の姿。


もしも……、不破に想いを告げられたら……。
彼女はどうするのだろうか……。

心が乱れる……。


「行きましょうか? 社さん」

なんとか『敦賀蓮』の仮面をかぶり、にこやかに振り返る。
この話は触れてくれるな、笑顔で無言の圧力をかけた。


***


本当なら……、キョーコが待っている家にウキウキしながら帰っているはずなのに。
今の俺は不機嫌全開だ。

タレントと歌手。
同じ芸能界といっても、ジャンルが違えば接点も少ない。

それなのに───。

あの二人は、なぜあんなにも偶然に出会うのだろうか。
幼馴染という以外にも、何か特別な繋がりがあるのではいないだろうかという懸念さえ生まれてしまう。

こんな気持ちをもったまま……キョーコと一緒にいたら彼女に当たってしまうかもしれない…。
今夜は帰ってもらった方が───いいのだろうか?



「おかえりなさい、敦賀さん!!」

まるで待ち構えていたように、チャイムを鳴らすと同時に開いた扉。
満面の笑みで出迎えてくれたキョーコ。

渦巻いていたブラックな感情は、彼女の笑顔から発せられた花とともに吹き飛ばされた。

可愛らしいフリルのついた白いエプロンで「お仕事お疲れ様です」とほほ笑むその姿。
なんだか新婚みたいじゃないか!
まるで新妻じゃないか!!
思わず顔がにやけてしまう。

「ただいま」

少し屈んで彼女の顔の前に頬をよせる。

「?」

小首を傾げ不思議そうに見上げていたキョーコは、ようやく俺の意図が解ったようで。
目があった瞬間、頬を赤く染めた。

「……え、っと……」
「ん?」

恥ずかしそうに俯いて、もじもじとエプロンの裾を掴む彼女は強烈に可愛くて。
思わず抱きしめてしまいそうになる手をポケットにしまい、彼女からのアクションを待つ。
そんな時間さえも愛おしい。

「えい」と気合をいれる掛け声を発しながら、頬にふれた柔らかな温かい感触。
ほんの一瞬だったけれど、君からキスをしてくれたのは初めてのこと。

「お夕食できていますよ。温めますからちょっとだけ待っていてくださいね」
「うん、ありがとう」

火照った顔を隠す様に両手で顔を覆い、パタパタとスリッパの音を響かせながらキッチンへと戻っていくキョーコの姿に自然に笑みがこぼれる。


キッチンから漂う、食欲をそそる香り。
テーブルに用意された、ペア食器。
ご機嫌な彼女の鼻歌。
彼女がいるだけで、ここは安らぎと華やぎに満ちたあたたかい空間に変わる。

やっぱり、一緒に暮らしたいな。
────無理、だろうけど……。



ソファーに座り、何気なく付けたTV。
突然、大画面に現れた不破の顔に、忘れていた映像が甦ってしまった。


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2010.12.10 / Top↑
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