こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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5-3

月明かりもない夜。
カタカタと風に揺れる窓の音が廊下からの明かりを遮られた暗闇(へや)の中、不気味に響く。

「そうだ、スタンドライト!」

とにかく明かりを点けて安心したい。
おもむろに手探りで移動した先、何かの影が動いた。

「ひゃっ!」

ソレは、姿見に映った自分───。

「や、やだもう! びっくりした」

ドクンドクンと心臓が跳ねる。
震える足は力を失い、ガクンと崩れるようにその場に座り込んだ。





「敦賀さん!!」

ノックも忘れ飛び込んだ部屋。

「ん?」

淡いオレンジ色の光の下で優しくほほ笑むその姿に、ほっと溜息をつく。

「どうした?」
「あの……。
敦賀さんが怖くて寝れないっていうなら……、その……。一緒に寝てあげても……イイデスヨ?」

「…………。
そうだね。昨日まではついていた電気が急に点かなくなったり、物が落ちたり……。ちょっと怖いな」

「しょうがないですね。そこまで言うのなら一緒に居てあげます」



おうちに帰ろう~Sweet home~



「なんでそんな端に寝るのかな?」
「だ、だって……」

一人で寝るのが怖いから、つい“一緒に居てあげる”なんて言っちゃったけど。
やっぱり結婚もしてない男女が夜具を共にするなんて……破廉恥だわ。

でも、あの部屋で一人になるのはやっぱり怖くって。
せめて……と、広いベッドの端っこにちょこんと寝転がった。

「こんなに離れたらつま……いや。二人の間に幽霊が寝てたりしたら怖いじゃないか」
「ひっ! そ、そうですね!」

思わず、私・幽霊・敦賀さんが川の字になって眠る様を想像し慌てて中央に移動する。
それ、怖い! 本当に怖いからっ!!



「…………あの!」
「───ん?」

「どうしてこっちを向くんですか?」

ドキドキしつつ並んで入った布団。
寝顔を見られるのも恥ずかしいし、寝顔を見るのも心臓に悪い。
背中を向けて瞳を閉じた────のだけど。
感じる視線に耐えきれず振り向けば、びっくりするほど顔が近い。

「だって、壁の方を向いて寝て何か白い影とか見えたら怖いだろ? こっちを向いていれば最上さんしか見えない」
「!!! そ、そうですねっ」

そうよ、よくホラーであるじゃない! 目を開けたら幽霊が顔を覗き込んでいて……とか!
いやぁ~~!! 怖いっ!



「あの…………」
「───ん?」

「……なんで、手を握るんですか?」
「だって怖いから。こうしてれば安心だろ?」

「…………。敦賀さんって、案外怖がりなんですね」
「実はね。誰にも言わないでくれるとありがたいな」
「わかりました。二人だけのヒメゴトですね」

指きりの代わりに、手と手をぎゅっと絡め合う。

───絶対に離さないでね。
そう告げて瞳を閉じる敦賀さんは、りっぱな大人の男性なのになんだかとっても可愛く見えて。

くすくす。

我慢できずに笑った。


繋いだ手は温かくて
傍にいるのだと安心できる。


……お父さんって、きっとこんな感じなんだろうな。


隣から聞こえる寝息と、伝わる温もりに
さっきまでの恐怖心が嘘のように消え、心地よい眠りへと誘われた。



Next 5-4




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2011.01.27 / Top↑
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