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「敦賀蓮、追跡記録」 のアナザーサイド 蓮ver. になります。



「君が好きなんだ。返事は急がないから、考えておいて…」

これは、大きな賭け。
凶とでれば、確実に避けられる。
もう今までのように慕ってくれる事も、笑顔を見せてくれることもなくなるかもしれない。

だけど、吉とでれば――

とりあえず、君の出方を待ってみよう。


最上キョーコ、捕獲計画 ~一世一代の賭け~


「キョーコちゃんが、お前のスケジュールを聞いて来たよ。またお弁当でも作ってきてくれるのかもなぁ♪」
「…社さん、」
「わかってるって!期待させて予測が外れたらお前、凹んじゃうもんな。…でも、ちょっとは期待しちゃうだろ?」

瞳をきらきら輝かせ、俺で遊ぶ気マンマンの社さんに「期待なんかしませんよ」と答えつつ心の中では、ガッツポーズ。

よしっ!!

教えたスケジュールは1週間。
どうやって現れるのか楽しみだ。


1日目。
某スタジオにて、ファッション誌の撮影。

「敦賀君、お疲れ様でした」
「お疲れ様です」

共演したモデル、ほのかさんって言ったっけ?
たしか最上さんが「ナツ」のモデルにした人、だよな?

彼女がモデルの身のこなしを教えてくれと深夜に家の前で待っていた時は驚いた。
夜遅くに女の子が一人で外にたたずんでるのはいただけないが、俺を頼ってくれた事は単純に嬉しかった。
クィーンローザの結晶で作ったネックレスが出来たと嬉しそうに見せてくれた時の彼女は、とても可愛くて、愛しくて。

「……ね、聞いてる?」
「――えっ?ごめん、何?」
「もうっ、敦賀君てば――」

さりげなく腕を絡ませ歩き出すその女性に「一緒に食事に行こう」と誘われたが仕事を理由にやんわりと断る。

最上さん。今日はこないのかな?


2日目。
某TV局にて。司会者が渋滞にはまり遅れていると連絡を受け、久しぶりに鶏クンに会いたいなと出逢える保証もないままいつもの場所へ向かう。

「あ、蓮だ!」
「うそ?!や~ん、本当だっ!」
「敦賀さん、私達これから飲みに行くんですけどよかったらご一緒しませんかぁ?」

途中、撮影を終えたらしい数人のタレント?に囲まれた。
挨拶もなしにいきなり触れてくる彼女達に、礼儀もなにもあったものじゃないなと内心ムッとしながらも『敦賀蓮』の仮面をはりつけ紳士に対応。

それにしても……この娘達、最上さんと年もそんなに変わらないだろうに…。

最上さんは、監督・共演者はもちろんの事、スタッフにだって礼儀正しい。
『敦賀さん!こんにちは』
俺に気付いて無邪気に駆け寄る彼女の可愛い笑顔を思い出す。

最上さん…。今日は来てくれるかな。


3日目。
終日、ドラマの撮影。

「敦賀さん、ごめんなさい」

NGを連発する共演者から涙目で謝られた。一所懸命仕事をしているのは分かっている。気にしなくてもいいのに。

「気にしないで。ほら、涙はここで止めて」

頬を伝う涙をそっと指で拭えば、ポッと顔が紅色に染まる。

………そういえば、頬にキスした時の最上さんの反応、可愛かったな。

珍しくNGを連発する最上さんに声をかけた時は、耳まで真っ赤に染まっていて。
少しは俺を意識してくれたと自惚れてもいいだろうか。

その彼女は今日も来ない。

……流石に不安になってきた。
考えたくはないが、もしかして、もしかしたら“凶”パターンなんじゃないか?
スケジュールを確認したのは俺に会わないようにするため、とか?
彼女の出方を待とうと思ったけれど、少しはモーションをかけた方がいいのかもしれない。

「最上さん明日はドラマの撮影…ですかね?」
さりげなく訊ねた俺に、社さんはよくぞ聞いてくれました!とばかりに揚々と手帳を取り出した。


4日目。
情報手に入れた俺は、郊外でのCM撮影をリテイクなしの一発OKで終わらせて、早々にLMEに戻った。
社さんとともに事務所内のカフェへ向かう。帰るなら必ずここを通るはず。さりげなさを装って送って行こう。

「敦賀さん!」
「ん?」

以前、雑誌の撮影で共演したアイドル(名前、なんだっけ?)に声をかけられた。

「マネージャーが打ち合わせしていて私一人なんですぅ。寂しいから席、ご一緒してもいいですか?」

正直、迷惑とは思ったが断ることもできない。
事務所内だし社さんもいるし、まぁいいか。
「どうぞ」と席を勧めた。

楽しそうに話しているのに申し訳ないが、まったく聞いていなかった。
最上さんを見つけることだけに集中していたから。
視線も意識も眼の前に座るその娘を通りすぎ、別の所へと向かう。

俺が声をかけたら最上さんはどう反応するだろうか?
笑ってくれる?固まる?それとも……逃げる、かな。

あっ!

2F通路に見えたピンクのつなぎと、栗色の髪。

いたっ!

「社さん、急用を思い出したので、俺はこれで…」

早く行け、とばかりに手を振る社さんに後を任せ彼女の姿を追いかけた。

  ***

「最上さん、今帰り?俺も今日はこれで終わりだから、送って行くよ?」

ありがとうございます。
笑顔でお礼を言われると思ったのに、返ってきた答えは…

「…結構です。」

え?
なんで?しかもなんか……怒っている?

「私なんかに構っていないで、もっと素敵な人でも送ってあげてください」

振り向きもせず背を向けてスタスタ歩き出す。いつもの彼女からは考えられない行動。それに、今の言葉は?

「ちょっと待って!今のどういう意味?」

あわてて追いかけた。

「…あなたには、もっとふさわしい人がいる、って言っているんです。」


………なんだ、それ………

ふさわしい人?
君の言う“俺にふさわしい人”って、誰?
ふさわしい、ふさわしくないなんてそもそも誰が決めるんだ。
俺の気持ちは無視?

俺は、

………君が好きなのに……


「…それ、本気で言ってる?」
「勿論です」

淡々と答える彼女に思わず唇を噛みしめた。
俺の怒りを感じとったのか、彼女がビクリと体を硬直させるのが分かった。
怒ってはいけない。俺は怒れる立場ではない。
分かっていたのに抑えられない。

「…だって、楽しそうにしていたじゃないですか!他の人と楽しそうに笑っていたじゃないですか!」

え、何の話?
楽しそう…? 笑う…?

「…た、くせに…」
「えっ?」

「私の事好きだって言ったくせに! 敦賀さんなんて、だいっきらい!!」
「!!!!!!」

それって
それって、もしかして。

…ヤキモチ?

ぽろぽろと、涙をながす彼女を抱きしめた。

「…………離してください」
「嫌だ」
「離して!」

俺の胸を押し返し、拘束から逃れようとする彼女をきつく抱きしめる。

「ダメ。離したら君は逃げてしまうだろう?ねぇ、最上さん。それがこの前の返事?」
「…そうです。だから、離して下さい」

離す訳がないじゃないか。ようやく今、君を捕まえられそうなのに。
たぶん今の俺は、社さん曰く『破顔』、社長曰く、『緩んだツラ』をしているだろう。

「じゃあ、今から君は俺の恋人だね」
「な! 何故ですか? 大嫌いって、言ったじゃないですか!」

怒ったように睨まれたけど、怖くないよ。

「ヤキモチ、やいてくれたんだろう?」
「ちが…」
「違わないよ」


君のおでこにキスをひとつ。
やっと捕まえた愛しい君。
とりあえず、一緒に帰ろう?

fin




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2010.03.02 / Top↑
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