こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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5-5

青い空と白い雲。澄んだ冬の空。

「いい天気だね」
「ソウデスネ」

空気は少しひんやりとしているけれど降り注ぐ日差しは暖かく心地よい。

「たまにはこうやってのんびり外で食事するのもいいものだね」
「ハイ」

「パンもやっぱり焼きたては違うな。フワフワしていて、とても美味しいよ」
「ハイ、フワフワデス」

「俺が作ったプレーンオムレツ、玉子焼きみたいになっちゃったな‥‥。やっぱり最上さんが作った方がよかったね」
「イエ、ソノヨウナコトハ……オジョウズデスヨ」

不自然な笑みを浮かべ、カタコトな日本語を話す最上さんに苦笑いが零れる。
これも先ほどの言葉を意識するあまりなのだとすれば、嬉しくもあるのだが。


おうちに帰ろう~Sweet home~


「俺が貰ってあげるから」
「───っ!!───」

目の前の白い繭がピクリと身体を強張らせたのがわかる。
二人の間に降りる長い長い沈黙。

「……最上さ───」
「わっ……私はっ!!」

言葉を発したのは、二人ほとんど同時だった。

「───ん?」

頭からかぶった布団はそのままに、ムクリと身体を起こし端座する。
その姿に、自身も居住まいを正し彼女と向き合った。

「私は…………」
「うん……」

彼女の顔を覆う白いソレは、まるで花嫁のヴェールの様で。
剥ぎ取ろうと手を伸ばした刹那───、


「私は、結婚なんてしないんです~~~~っっっ!!」


視界は一面の白。
一瞬の目くらましにたじろいだその隙に、脱兎のごとく逃げだした彼女。
開け放しのドアは揺れ、向かいの部屋からは扉が閉まる大きな音が聞こえた。


「───結婚なんてしないんです‥‥か」

彼女のぬくもりが残るベッドにゴロリと身を沈め、天を仰ぐ。
別に正式にプロポーズしたわけではないけれど。
もしかして……俺は振られたことになるのかな?

───でも…………

「諦めないけどね」

彼女以外の誰かとなんて考えられない。
ましてや最上さんが他の男と──なんて事は考えたくもない。

だから覚悟していてね、最上さん?
絶対に君を捕まえるから。

宙に掲げた腕をぐっと握りしめた。



しかし……



寝ぼけていたとはいえ、俺はなんて事を…………


あの時、夢を見ていた。

彼女と出会ったあの懐かしい河原。
なにもかもうまくいかなくて、全てが面白くなくて。
不貞腐れていた俺の前に現れた天使の笑顔の女の子。

「コーン! 会いたかった!!」

背丈ほどある草木を掻きわけてまっすぐ駆け寄ってくる彼女を、両手を広げて待つのは、幼いコーンではなく敦賀蓮(オレ)で。
勢いよく腕の中に飛び込んできたのは、あの夏の日のキョーコちゃんではなく、最上さんだった。

「ずっと……、一緒に居てあげます」

寝る前に聞いた彼女の言葉を、自分に都合のいい様に変換して夢の中で彼女を抱いた──────つもりが、リアルに隣で寝ていた彼女を組み敷いていたとは…………。
しかも……、
彼女は気付いてなかったみたいだけど首筋にうっすらと残っていた赤い痕……。


───アレ……。やっぱり俺がつけたんだよな……。


「まずい、よな……」


やわらかな肌の温もり。
誘うような、甘い香り…………。

甘美な毒は一瞬で、心も体もオカシテク。


***


「今日はピクニックシートだけど、折角だからガーデンセットも買おうか? よろずやさんで」
「イエ……モッタイノウゴザイマス」

「最上さんも何かテラスに置きたいものがあったら遠慮しないでね」
「えっ?! いいんですかっ?!」

不自然仮面がパカーンと外れ、いつもの笑顔が飛び出してくる。

「勿論だよ。何か欲しいものあるの?」
「あの……私、お庭が造りたいんです」
「庭? ブランコとか置きたいって事?」
「ブランコって……、公園じゃないんですから。畑っていうか……、花壇でいいのかな?
自分で育てたハーブとかお野菜を使ってお料理したりするの、楽しそうだと思いませんかっ!」

両手を胸の前で組み、瞳をキラキラと輝かせながら上目づかいに俺をみつめる。
ようやくまともに向き合ってくれた彼女に安堵の息をつく。

「うん、楽しそうだね。じゃあ、それも買おう」
「はいっ!!」

「でも花壇ってなにを買えばいいんだ? テラスでも作れるものなのかな」
「プランターや植木鉢でいいんです。
もう少し暖かくなったら球根を植えて……。春のお花でいっぱいにしたいんです!
春だけじゃなくて夏も秋も冬も! 季節を感じられるお庭を造るの、夢だったんです!!」


───ねぇ、最上さん?

それって……。
春夏秋冬、何度季節が巡っても──────。

このままずっと、ここに居てくれるって意味でいいのかな?

「敦賀さんも手伝ってくださいね?」
「勿論」


一番輝く花を愛でるために。


Next happening


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2011.02.26 / Top↑
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