こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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6-2

「こんなところで見てないで、モニターの方にいらしたらいかが?」


不意にかけられた言葉に驚いて振り向くと、そこにいたのは、


「はじめまして、総合プロデューサーの麻生春樹です」



おうちに帰ろう~Sweet home~



「こちらにどうぞ」
「ありがとうございます。でも俺、部外者なのに……構わないんですか?」
「ええ。尚は不機嫌になるかもしれないけれど、私としては意見を聞かせてもらえると嬉しいわ」
「嫌われているみたいですからね、彼には」

プロデューサーに連れられモニター前に移動すると、スタッフと打ち合わせをしていた最上さんが俺に気付き、微笑みながらペコリと頭を下げる。

相変わらず綺麗なお辞儀だな。
礼儀正しい最上さんらしいけど、でももうちょっとこう……手を振るとか───砕けた態度を取ってくれてもいいのに。
……無理だろうけど。

微笑みを返しつつ軽く手を振って応えると、彼女の視線を追って振り返った不破と視線が絡む。
多分、俺が来る事を聞かされてなかったのだろう。
大きく見開かれた瞳が、それを物語っていた。


「なんであいつがここに居ンだよ」
「敦賀さん? この近くで撮影があったからついでに見学したいって」
「はぁ? なんだ、それ。聞いてねぇし、俺は許可してねぇぞ」
「なんであんたの許可がいるのよ」
「俺のプロモだぞ!!」
「うるさいわね! 麻生さんの許可はちゃんと貰ってるのよ! ほら!! さっさと移動するわよ。夕陽が沈んじゃうじゃないっ」
「おい、キョーコっ、待てよ」


聞こえた会話は、近しい二人が交わす遠慮のないコトバ。
傍目には痴話喧嘩にしか見えないそのやり取りに、入り込むことのできない何かを感じてしまう。

だけど───。
なにも出来ずに逃げた、あの時とは違う……。
俺と最上さんにだって、不破には入ることのできない絆が出来ているはずだ。



「尚君、京子ちゃん 準備OK、行けまーす」
「よーい」


(カチン───)



    何かに怯えながら……、だけど誰かを求める用にように海を彷徨う少女。
    男は岩場に跪き、少女に向かい「こっちにおいで」と手を差し伸べる。
    少女は躊躇いながらもゆっくりと歩み寄り、その手を取った。

    夕陽が辺りをオレンジ色に染め幻想的な雰囲気を漂わせる中、
    逆光に浮かぶ二つのシルエット───。

    重ねられたその手に、男はそっと口づけた。



「───っ」

演技だとは分かっている。
分かっているのに……。

彼女が他の男の───、不破の手を取ったことが俺の胸をキリキリと締め付ける。


───あいつだけには………

いや、他の誰にも……彼女は渡さない。


NEXT 6-3



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2011.04.25 / Top↑
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