こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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7-2 The next day


***

チャイムと共に教室を飛び出して、事務所にも寄らずまっすぐに家路を辿る。
スケジュールはお昼休みに電話で椹さんに確認したし、お仕事のない日に参加している養成所も今日は自主休講(サボリ)
いつものスーパーだって停まる事なく自転車をこぎ続ける。

緩やかな坂道を登れば、見えてくるエントランス。
そこはあたたかい私の─────────

「ただいま戻りましたっ!!」



おうちに帰ろう~Sweet home~



「…………寝てる」

シンと静まり返ったリビングに、僅かに聞こえる浅い寝息。
開け放たれた窓からそよぐ風が、ソファーに凭れまどろむ敦賀さんの黒髪を揺らす。

起こさないようにそぉ~っと近づいて、足元にしゃがみ込む。
今にも床に落ちそうな台本をそっと手から抜き取っても、微動だにしない敦賀さんの寝顔を頬杖ついて眺めた。

こんなに無防備な敦賀さんって珍しい。
やっぱり疲れていたんだな。
体力的にもスケジュール的にもハードなロケだったはずなのに、
毎晩、長電話に付き合わせちゃったものね……

今朝だって朝食の準備を手伝ってくれたし。
お休みなんだからゆっくり寝ていてくださいって言ったのに、一緒に作って二人で食べる方が楽しいからって。


優しい笑顔で──────


いつかの様に
サラサラとした髪に触れてみたくって
膝立ちし身を乗り出すように手を伸ばした。


「…………夜這い?」


指先が艶やかな髪に触れる刹那、黒曜石のような瞳が私を捉える。


「―――っ!!」

突然の覚醒。
驚きのあまり手を伸ばしたままで固まる私。

ソファーの背もたれに頬杖をついてこちらを見据えていた敦賀さんは、未だ強張ったままの私の手を掴み意地悪そうな笑みを浮かべた。

「最上さんに寝込みを襲われるとは思わなかったな」
「襲っ?! ち、違いますっ!! 私はただ!!」
「ただ?」
「ただ……」

どうしよう……なにか言いわけを考えないと。
寝ていた敦賀さんに触れようとしたなんて痴漢行為、絶対に知られたくない。

「カゼ……そう! 風邪!! こんなところで寝ていたら風邪をひいてしまうから起こそうと思って!!」
「ふ~~~ん?」

掴まれた腕はいつのまにか形を変えて
私の指と指の間には、敦賀さんの手がしっかりと組まれている。

「あ、あの……、手……」
「――――女の子から誘われたら……応えないとね?」

スゥと瞳に婀娜やかなイロが宿る。
なやめかあやしいそれは、私の最も苦手とする夜の帝王。

「───っ───」

慌てて身を後ろに引いたけれど、繋がれた指が離れる事を許してくれない。
逆に手を引かれ引き寄せられてしまう。


「……今すぐどうにかしてあげる……」


唇が触れそうなくらい近くで囁かれ、心臓がひときわ大きな鼓動を刻む。
吸い込まれそうな瞳から目が逸らせない。


「……瞳……閉じて?」


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2011.10.20 / Top↑
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