こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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7 The next day 1-2


心地よい微睡の中で感じた温かい気配と甘い香り。


――――最上……さん?


*


……まいったな。

目覚めるタイミングを逃し、決め込んだ狸寝入り。
感じる視線に鼓動が早くなっていくのがわかる。

薄目を開けて様子を窺った俺の目に飛び込んできたのは
まっすぐに見つめる瞳に含まれた、艶を含んだ妖しい輝き。


まったくこの娘は……どうしてくれようか。
自分が今、どんなに男を煽る表情(かお)をしているのかわかっているのだろうか。


その瞳を自分以外の男に見せたりしないよう
忠告の意味も込めて、彼女の苦手な男を演じた。



おうちに帰ろう~Sweet home~



「結構です 結構ですっ 結構です~~~~~っ!!!」



しっかりとつないでいた手を力任せに振りほどき、その反動で尻餅をついた彼女が慌てて部屋の隅へと後ずさっていく。
全身で拒絶されたようで、自分で仕掛けたことだというのに気分が凹んでしまう。

「最上さ――――」
「ごめんなさい、ごめんなさいっ」

一歩近づけば、怯えたように身を縮ませる君。
……お仕置きが過ぎたかな?

俺自身が怖いと思われては元も子もない。
ふぅと小さくため息を吐き、震える彼女の柔らかい髪をなでた。

「……バカだな…… 冗談に決まってるだろ……?」
「……冗談?」

「前にも言っただろう? ……何もしないよ。君には」
「……」

「でもそんなに嫌がらなく」
「…………」

「え?」
「敦賀さんが私なんかを恋愛対象にしてないことくらいわかってますっ! どうせ私はお子様ですよっ!!!」

口を尖らせ、プイっとそっぽを向く。
拗ねたようなその仕草。

ちょっと待て。
それって自分を女性として見てほしいと、口説いてほしいと言っているように聞こえないか?

「最上さん、それってどういう――――」
「そんなことより!」

真意を問いただそうとした俺のセリフは、ビシっと目の前に差し出された指と彼女の声に遮られた。

「敦賀さん、ちゃんとベッドで横になったほうがいいです。ソファーでうたた寝なんてかえって疲れてしまいます」
「いや、少し寝たし……大丈夫だよ。それにせっかく最上さんも休みなのに寝ていたらもったいないだろう。台本の読み合わせもするって約束したしね」
「でも……」
「はい、この話はおしまい。
そうだ。さっきロケ先から送ったお土産が届いたんだ。空港で人気のチーズケーキらしいよ。お茶いれるから一緒に食べよう?」

コーヒーでいい? と、キッチンへ向かおうとした俺のシャツの裾を不意に彼女が掴んだ。

「ん?」
「……一緒にいればいいんですか?」
「え?」
「こっち来てください」
「???」

意味も分からず、手をひかれるままに彼女を追う。
立ち止まった彼女は、少し強引に俺をソファーに押し戻すと
自身も隣に腰かけて「どうぞ!」とばかりに両膝を叩いた。

「……最上さん?」
「私、ここで台本読んでいますから敦賀さんは休んでください。夕食前には起こしますから」

「…………」

思いもよらない申し出に、言葉も発せず呆然と固まった俺を
彼女は不安そうな瞳で覗き込んだ。

「あの………」
「……ありがとう。それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな?」




優しく髪をなでる彼女の手は、温かく心地よい。
甘く誘われるように、深い眠りへと落ちていく。


‘敦賀さんの家’は、何時しか‘私のお家’に変わり
遠慮ばかりしていた彼女が、素直に甘えてくれるようにもなった。


瞳の中に見え隠れしていた恋情
発した言葉の意味


ねぇ、最上さん。
もし今俺が「好きだ」と告げたら――――


君は…………どうする?




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2011.10.31 / Top↑
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