こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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2010年 惣也様主催「SKBアンソロ計画 Give me the fairy's LOVE」に参加させて頂いた作品です。





*** 4 ***


RRR……

「……はい……」
『……やっと……、でてくれた』
「――――っ!」

しまった!
ボーっとして相手を確認せずに出てしまった電話。慌てて切ろうとしたその時、切羽詰まった彼の声が受話器の向こうから聞こえた。

『待って! 切らないで! 話を……させてくれないか?』
「……話なら、聞かなくてもちゃんと分かっていますから……」
『え?』
「私の事は気にしなくて構いませんから。ご自分の幸せだけを考えてください」
『……最上さん? 何を言って』
「あ、もしかして心配しています? 私がショータローの時の様に敦賀さんを呪うかもって。大丈夫です。そんな事、しませんから安心してください。さっきは逃げちゃったけど……これからはちゃんと後輩として接しますから」

ガクガクと震える身体を叱咤して、なんでもない振りをして笑う。それが今の私にできる精一杯の強がり。

『……その事なんだけど……俺は、君と今までの様な先輩後輩の関係に戻る気はないから』
「え……?」

それは……、もう君とは関わらないという敦賀さんからの拒絶の言葉。二人で過ごす事は出来なくても、今までの様に後輩として傍にいさせてもらえればそれでいい。そんな甘い考えを持っていた私はその言葉に、目の前が真っ暗になった。

「……そうですね、私の様なモノがうろついていたら彼女もいい気分じゃないですからね」
「え?」

――――声が、震える……。
――――心臓が、痛い……

「……分かりました……。色々とお世話になりました」
『ちょ! 最上さ――――』


「……うぅ……」


ずっと我慢していた涙が、とめどなく溢れだす。
泣いて、泣いて、泣いて……。
涙とともにこの気持ちも流れ去ってしまえばいいのに――――。


「キョーコちゃん、ちょっといいかい?」

女将さんの声に慌てて涙を拭う。
いけない。こんな姿をみせたら心配させてしまう。

「すみません、女将さん。今、後片付け手伝いま──えっ?」

そこにいたのは、

「……敦賀さん……」

なんでここに敦賀さんがいるの? 今、ほんの少し前に電話を切ったばかりなのに。
慌てて閉めようとした扉は、一瞬早く滑りこんだ敦賀さんの足によって阻止された。

「最上さん、ちゃんと話をしよう?」
「やっ!」

伸ばされた手を振り払って背を向ける。何も聞きたくないと耳を塞いで、瞳も閉じて。

「きゃっ!」

いきなり腕を引かれ、部屋から連れ出された。

「二人で話せる場所に……、家に行こう」
「やだっ!」

私の意見など聞く耳持たないと言う様にぐいぐいと力任せに引っ張られる。重心を後ろに傾けて抵抗しても容赦なく引きずられてしまう。いつもの敦賀さんらしからぬ行動。

「すみません、彼女を連れていきます」
「やだっ! 女将さん、助けて!」
「あの、敦賀さん? キョーコちゃんも嫌がっている事だし今日のところは……。あんたも何とか言っておくれよ」

鋭い視線で敦賀さんを見据えていた大将が、厨房からゆっくりこちらに歩み寄る。
敦賀さんが殴られちゃう!

「待って、大将! 違うんです、この人は――――」

庇うように二人の間に割り込んだ。

「行ってこい」
「えっ?」
「お前が最近落ち込んでいたのはその男のせいなんだろう? だったらキチンと話をしてけじめをつけてこい。ったく、毎日うじうじとしやがって。そんな奴はうちの娘じゃねぇ! 決着付けるまで帰ってくるな!」

店の扉を開け、さっさと出て行けと顎で促した。
大将の言葉に、私は抵抗をやめ、深く一礼し店を後にする敦賀さんに従って大人しく車に乗った。


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2012.09.26 / Top↑
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