こちらはスキップビートの二次創作ブログです。 原作者様及び出版社様等とは全く関係がございません。

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「俺の好きな子は、君だよ?」

彼の言葉を“嘘”だと決めつけた。

だって、そんなことあるわけがない。私なんて地味で華も色気もないのだから。
きっと“坊”であることを隠して生意気にも先輩にアドバイスなんてした私を、お仕置きがわりに騙そうとしているんだわ。


Act. 10

「どうして、そう思うかな?」
「だって!敦賀さんは、芸能界1のイイ男で、抱かれたい男なんですよ?」

誰もが憧れ、恋い焦がれる。
彼が望めば、みな喜んでその手を取る。
そんなヒトが私をなんて、そんなことあり得ない。

「イイ男ねぇ…。君もそう思ってくれているの?」
「勿論です!」

拳をギュっと握りしめ力いっぱい頷く。

「じゃあ、最上さんも俺に抱かれたいって思ってくれているんだね。嬉しいな。俺はいつでもOKだよ」
「んなっ!な、なんて事いうんですかっ!!敦賀さん、破廉恥ですっ!!!」
「だって最上さんが言ったんじゃないか。抱かれたいって」
「私が言ったのは、世間一般の敦賀さんの評価であってそんな意味ではありませんっ!」

プイっと膨れてそっぽを向くと、微かに聞こえた笑い声。
振り返れば、何事もなかったように平然とハンドルを握っているが、その肩は小刻みに震え笑いをこらえているのがわかる。

「~~~っ!!!」

やっぱり敦賀さんは私をからかっているんだ。
絶対、私の反応をみて遊んでいるんだ。

敦賀さんのイヂワル!似非紳士っ!



「着いたよ」
「へ?」

ここ…どこ?

ちょっと付き合ってと、行き先も告げずに連れだされた場所は、暗い───どこかの駐車場?
ザワザワと風に揺れる葉の音に、真っ暗な小道に、不安を感じ無意識に敦賀さんの腕を掴んで歩いた。

「こっち。足元、気をつけて」

外灯の仄暗い明かりを頼りに、ゆっくりと石段をのぼる。
その先に広がるものは───。

「うわぁ~、綺麗っ!」

澄んだ空気に、キラキラと輝く満天の星。
手を伸ばせば掴めてしまいそうな、煌めく宝石。

「こんなに星空が見える場所があるなんて知りませんでした!」
「最上さんが好きそうだなって思ってね。気にいってくれた?」
「はい!」

子供のように柵に足をかけ身を乗り出せば、眼下に広がる光の絨毯。
まるで地上に降り立った星のようなその光景に心が躍る。

「夜景も見えるっ!敦賀さん、見て!すごくきれ……ぃ」

まっすぐに注がれた瞳が捉えているもの。
それは、瞬く星空でも、煌めく町のイルミネーションでもない。

───私?

まるで、大切な宝を愛でるような甘く、優しい笑顔。
こんな顔でずっとみられていたのかと思うと急に恥ずかしくなって慌てて視線を戻した。

「本当だ。綺麗だね」

「つ、敦賀さん?」
「ん?」
「……あの……」

な、なんで、隣じゃなくて後ろに立つんですか?
そしてなんで、腕の中に囲うのですか?
おまけに、なんで柵じゃなく私の手を握っているんですか~っ!!


ダメ。
ドキドキしちゃ、だめ。


触れた背中がほんのり暖かくて、全神経がそこに集中していくのがわかる。

「こうしていると温かいね」

握られた手が、頬が、身体が、……アツイ……。


「……っ……」

恥ずかしくて俯いた私の頬に触れた、柔らかいナニか。
ソレが彼の唇だと言うことに気付くのに時間はかからなかった。

「な、なにするんですかっ? きゃっ」

勢いよく身を翻した拍子、柵にかけた足がガクンと落ち、そのまま前方に倒れ込んだ。

逞しいその腕の中へ。

「危ない。気を付けて」
「だ、だって敦賀さんが変なコトするから!」
「変なコトとは失礼な。“お礼”だよ。今日付き合ってくれたから」
「お礼は言葉で伝えてください!それにお礼をいうのは私の方です!こんな素敵な所に連れてきてもらったんだから!」
「そう?じゃあ、最上さんもお礼していいよ」

ん。とつきだす頬を、手をつっぱって押し返す。

「しません!もうっ、敦賀さん変ですよ?いつもの敦賀さんじゃないです!」
「そうだね。俺も自分にこんなところがあるなんて思わなかった」

軽くウィンクしながら無邪気に笑う敦賀さんの、そのおどけた仕草がおかしくて二人声をあげて笑った。

「恋って凄いよね。人を良くも悪くも変えてしまう。幸せになる資格なんてないと思っていた俺が、幸せになりたいと願ってしまうほどに……」
「えっ?」
「最上さんのおかげだよ。ありがとう」
「???」
「帰ろっか?」

ニコリとほほ笑んだ敦賀さんは、何かをふっ切ったようにすっきりとした表情をしていた。



その日から。

敦賀さんは、あなたはどこの国の方ですか?と思うほどの甘い言葉を神々しい笑顔とともに連発させた。
時々“夜の帝王”も降臨させるから、私の心臓はドキドキが止まらない。


ドラマの撮影後も、きまぐれの収録を終えたTBMでも、事務所に顔を出した時でも、まるで私のスケジュールを熟知している…ううん。
まるでサーチ機能を搭載しているかのように、仕事が終わると現れて「食事に行こう?」「ドライブしよう?」と拒否を許さない笑顔で私を誘う。


それが嫌じゃないのは?


一緒にいるのが楽しいのは?


違う。
これは、恋じゃない。


私は、恋なんてしていない。



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2010.04.09 / Top↑
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