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悠悠閑閑の瑞穂様から素敵なお話を頂きました。
瑞穂さん、ありがとうございましたっ!
これからも仲良くしてくださいね☆

それは誰のため?  1
奏江

特に用事があったわけではなかった。

松島主任に呼ばれて事務所に来たついでに、あの子の顔でも見てこようかと、ラブミー部の部室によってみた。

お互い仕事が忙しくなって、顔を合わせることも少なくなっていたから、久しぶりに能天気に私を呼ぶあの子の声が聞きたくなっただけだった。

だからって「声が聞きたくて」なんてこの私が電話するなんてあり得ないし!

久しぶりに顔を出したラブミー部の部室には、あいにく誰もいなかった。

机の上にポツンと置かれた雑誌が目に入った。

表紙には『クリスマス特集』と大きく書かれていた。

そういえばもう12月なのよね。

クリスマスはともかく、あの子の好きそうなものでもないかしらね。

もうすぐあの子の誕生日だし。

机の上に置かれた雑誌をパラパラとめくってみた。

去年は誕生日だと知らずにプレゼントを渡したけど、今年はちゃんと誕生日プレゼントだと言って渡したかった。

敦賀さんのプレゼントよりはインパクト与えたいのよね~

敦賀さんは去年花一輪かと思えば、花の中に宝石仕込んでたなんて!

あの子は気づいてないけど、そこがムカムカしてくる。

あの人もじれったい人よね~

あんなことしといて、未だにあの子に告白してないんだから。

そんな人には負けたくないわ!

「モー子さん!」

つらつら考え事しながら雑誌をめくっていたところに、勢いよく部室のドアが開いてマリアちゃんが駆け込んできた。

マリアちゃんが、親友ではなく私に駆け寄ってくるなんて珍しかった。

「騒々しいわね~何事なの?」

落ち着いて座りなさいとばかりに椅子を勧めた。

「こっちにいると聞いて来ましたの。お姉さまのことで相談に乗っていただきたくて」

親友に何かあったのかと心配になってしまった。

「あの子がどうかしたの?」

マリアちゃんは、私の誤解をあっさりと否定した。

「お姉さまに何かあったわけではありませんの。もうすぐお姉さまのお誕生日ですわよね?去年はパパとお話してたばっかりに、みんなでお姉さまのお誕生日をお祝いしているのに乗り遅れ、知らなかったばかりにお誕生日のプレゼントも後日になってしまいましたから、今年こそはお姉さまに喜んで頂けるようなものを差し上げたいんです。何か、お姉さまが欲しがっているものをご存じありません?」

つまり、この子も私と同じことを考えてたわけね。

「欲しがってたものねぇ~」

私だって悩んでるんだけどなぁ~

でも、いくら社長の孫とはいえ、小学生にお金を使わせるのもねぇ~あの子も受け取りにくいだろうし。

お金を使わなくて、あの子の欲しがってそうなものねぇ~

「あぁ、そう言えば、去年クー・ヒズリの付き人やった話を聞いた時に、クー・ヒズリみたいなお父さんが欲しかったって本人に話したとか言ってたわねぇ~」

あの子、母親ともうまくいってないみたいだし、父親はいないみたいなこと言ってたし、一人っ子だし、肉親の縁が薄そうなのよね~

「マリアちゃんが、あの子と姉妹ごっこでもしてあげれば?ホントの姉妹のように、お弁当でも持って、あの子とどこかで遊んで来るのは?」

どうかな?とマリアちゃんを見つめたら、マリアちゃんの姿が消えていた。

どうしたのかしら?

そんなことより、私は何をあげたらいいかしらねぇ~

再び雑誌をパラパラとめくった。







「蓮様~」

松島主任と話しているところに、満面の笑顔で両手を広げて駆け寄ってきたマリアちゃんを、かがんで迎えていつものように抱き上げた。

「蓮様にお願いがあるの。マリアのお願い聞いて下さらない?」

問いかけてくるマリアちゃんに、微笑んで見せた。

「お願いって何かな?聞いてみないと返事が出来ないかな」

「『お父さん』になって欲しいんですの」

マリアちゃんの言葉に唖然としてしまった。

「それどういうこと?」

社さんが不思議そうにマリアちゃんに問いかけた。

「もうすぐお姉さまのお誕生日がありますわよね?」

その一言で、社さんがニヤリと笑った。

「それで、去年はお姉さまにお祝いを言うのも出遅れて、知らなかったからブレゼントも後日になったので、今年こそはお姉さまの欲しがってらっしゃるものをちゃんと用意したくてモー子さんに相談しましたの。モー子さんからお姉さまが『クー・ヒズリみたいなお父さんが欲しかった』っておっしゃったと伺って、お姉さまに『お父さん』をプレゼントしたいんですの。本当の『お父さん』は無理ですけど、お姉さまのために『お父さん』を演じてくれそうな人って、蓮様しか思いつかなくて……」

不安気なマリアちゃんの背中を、安心させるように軽く叩いた。

彼女の『お父さん』ね。

「そんなことなら、他ならぬマリアちゃんのために、『お父さん』やってみるよ」




キョーコ

「――っというわけで、お姉さま、少し早いですけど、マリアと蓮様からのお誕生日プレゼント受取って下さいます?」

ラブミー部の部室で次の仕事までの時間を潰していた私のところに、敦賀さんと連れだってやってきたマリアちゃんの言葉に呆然としてしまった。

「よろしくね、最上さん」

敦賀さんがニッコリと笑った。

マリアちゃんの気持ちは嬉しいけど、敦賀さんが『お父さん』だなんて……

「無理ですぅ~敦賀さんを『お父さん』だなんて思えません」

途端にマリアちゃんの顔が曇った。

私のために一生懸命になってくれたマリアちゃんには申し訳ないけど、こんなに若い『お父さん』なんていないもの。

せめて『お兄さん』だったら抵抗ないんだけど……

「『父』と『娘』の演技の練習だと思って?」

敦賀さんはやる気満々みたいだけど、絶対無理~

「演技の練習だなんて言われても、敦賀さんを『お父さん』だなんて……大体『お父さん』にしては若すぎますよ!」

「へぇ~最上さんは、俺に『お父さん』の演技は無理だって思うんだ」

いや~敦賀さんが怒ってる。

「そういうことじゃなくて」

「俺だって、いつかはそういう役が来るかもしれないし?勉強だと思って、いい『お父さん』になるよう頑張るからよろしくね」

「でも……」

マリアちゃんが、敦賀さんの隣で泣きそうな顔をしていた。

敦賀さんの年齢で『お父さん』だなんて思えないって言うのは、マリアちゃんにも敦賀さんにも失礼なのかしら……

「そうだ、1日2日じゃお互い仕事で合わない日とかあって『お父さん』になれなかっても困るから、しばらく続けようか」

「えっ!?」

「12月に入ったばかりだし、期間は今月いっぱいだなんてどう?」

「な……」

「さすが蓮様ですわ。お姉さまもそれなら『父』と『娘』として慣れて下さいますわよね」

マリアちゃんが手を叩いて喜んでいた。

あのね、マリアちゃん、世の中自分と4つしか違わない『お父さん』持ってる人っていないと思うんだけど……

「じゃあ、早速今日からよろしくね」

敦賀さんは嘘吐きスマイルのままで告げてきた。

「あの」

「あ、最上さん、親子なんだから、『キョーコ』ってまずは呼ばせてもらうね」

「蓮様にお任せしておけば大丈夫ですわね。それでは私は塾がありますから参りますわ。蓮様よろしくお願いしますわね」

マリアちゃんの笑顔につられて、つい、手を振って見送ってしまった。

どうしよう……

「キョーコ、今日は何時に終わるの?」

敦賀さんもう『お父さん』に入ってるの?

「夕方には終わりますよ」

「じゃあ、先に家に帰っててね。はい、鍵」

目の前に、敦賀さんの家の鍵が置かれた。

「え?」

どうして鍵を預からないといけないの?

「キョーコ?俺とキョーコは親子でしょ?親子は一緒の家に住んで当然だよね。仕事がら家にいる時間は短いけど、すれ違うばかりで全然『お父さん』になれなくても困るから、せめて家の中ではちゃんと『お父さん』として『娘』に接したいんだけど?」

子供の言い聞かせるような優しい声に、ホントに『お父さん』のような言葉で、ちょっぴり嬉しくなった。

「それじゃあ時間だから」

それだけ告げて、敦賀さんは部室を出て行った。

我にかえって部室を出てみたら、廊下には敦賀さんの姿は見えなくなっていた。

えーっと……今月いっぱい一緒に住むことになったのかしら?

っていうか、なんだか丸め込まれた気がするんだけど……

ほんとに『お兄さん』だったらここまで困惑しなかったのに……


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2010.02.25 / Top↑
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