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「急いで作りますから、敦賀さんはゆっくりしていてください」
「うん、ありがとう」

Act.19


リビングで待っていて、と押された背中。
だけど、やっぱり一緒にいたくって。
キッチンの壁に寄りかかり、忙しなく料理を作る彼女を見つめた。

トントンとリズミカルに響く包丁の音。
鍋から漏れるあたたかな湯気、食欲をそそる匂い。
彼女のいるこの家は、とてもあたたかい。

明かりの灯った部屋が、あたたかな優しい香りが、なにより彼女の笑顔が。
ぽかりと空いていた心の隙間を塞いでくれる。


「じっと見られてるとやりにくいです!暇ならコレ、やってください!」

ドンと置かれたボウル。
サラダを作り始めた彼女の隣に並び、ソレをこねはじめた。

───俺は料理なんてした事がない。ハンバーグの作り方なんてわからない。
なのに、こうやって自然に身体が動くのは、おそらく以前もこうやって君と料理をしていたからなのだろう。

ふと思い立って、俵型にしたタネをハートの形に変えてみた。

「随分かわいいハンバーグですね」

それに気付いた彼女が楽しそうに笑う。


オーブンに入れて焼けるのを待つ間、特製のソースを作る彼女の後ろに立って柔らかな髪に指を絡ませたりて、ちょっかいを出す。

「もう!邪魔しないで!」

怒っているのに、どこか楽しそうな彼女。

「どうですか?」と差し出されたスプーン。
「あ~ん」と大きく口を開けてその味を堪能する。

「うん。美味しい」

そう言えば…。
以前、病院で君にこうして食べさせたことがあった。いつもしていた事なのだろうか?



キッチンに漂う香ばしい匂い。
こんがり焼き上がったハート型のハンバーグを盛り付ける彼女を見て、冷蔵庫から卵を取り出し熱したフライパンに落とした。

「敦賀さん?」
「目玉焼きは俺が作るね」
「……なんで……?」
「え。あれ、なんでだろう?君は目玉焼きののったハンバーグが好きな気がしたんだけど…。ごめん、嫌いだった?」


彼女の瞳がじわりと潤む。
俺───。何かまずいことを言った、のか?


「…ううん、好きです。大好き! 目玉焼きもハートにしてくださいね」
「もう焼けちゃったよ。それにちょっとハートにするのは難しいな」

少し考えた後、アルミホイルでハートの枠を作りもう1つの卵をその中に割落とした。
じゅわと音を立てて、透明の白身が白いハートの形に固まっていく。

「丸いのは敦賀さんのだからね?」


***


淹れたてのコーヒーの香りを漂わせ、テーブルの上にはお揃いのカップが2つ、仲良く隣り合わせに並ぶ。

「あ。モー子さんのドラマやってる」

床にペタンと座り、テレビに見入る彼女。その細腰に手を伸ばし、そっと自分の胸に引き寄せた。

「な、なんですか?」
「えっ? あ…、ごめん。なんか無意識に…」

「……こんなこと無意識にしてたら犯罪です!」
「犯罪って…。こんな事、誰にでもする訳じゃないよ。君だから、君の見後ろ姿をみたらなんか自然に…」
「………エロ紳士………」

にっこりほほ笑んで、彼女の頬をギュムとつねる。

「失礼な事を言うのはこの口かな?」
「いたい、いたい!そこ、口じゃないしっ!」

「もう!すぐつねるんだから!本当に痛いんだからねっ!」

頬をさすりながら立ちあがる彼女。

「もう寝ますっ!」

その後を追いかける。

「なんでついてくるんですか?」
「いや、俺も寝ようかと…」
「そうですか。それでしたら敦賀さんはあちらです」

彼女が指差した先は、俺の寝室。
だけど彼女が開いた扉は、ゲストルーム。

「一緒に寝ないの?」
「寝ません!私達、他人ですから」

「他人って…。ひどいな…。俺、君の事を愛しているのに」
「ふぇ?」

「好きじゃなかったら何カ月も探さないだろう?」
「………探してたんですか?」
「知らなかったの?」

あれ?
彼女には俺の情報がリークされていると思っていたけど、逢えなかったのは本当に偶然なのか。
そっか、避けられていた訳じゃないんだ。

はにかむように笑う彼女が可愛くて、そっと腕に抱き寄せた。
頬に手を添えれば、ゆっくりと瞳が閉じてられてゆく。

軽く触れた唇。
甘い、甘い一時。
その感覚に酔いしれて何度も何度も唇を重ねた。

背中にまわされた手の温もり。
愛しくて、愛しくて、───君が欲しくて。


服の隙間からそっと忍ばせた掌で、その滑らかな肌をゆっくりと撫であげる。
指先が可愛らしい膨らみに触れた刹那、

「わぁ~!!何してるんですかっ!!」

思いっきり突き飛ばされた。

「なに……って」
「私達は他人っていったじゃないですかぁ~!」

真っ赤になって扉の向こうに逃げていく彼女を茫然とみつめる。

「プッ」

思わずこみ上げる笑い。
本当に君は、

───可愛いんだから。


「キョ──、えっと、最上さん?」

少しだけ開いた扉から、ぷぅと頬を膨らませ上目使いに俺を睨む。
そんな可愛い顔をすると、また抱きしめちゃうよ?

「…なんですか?」
「なにもしないから──。もう少しだけ話をしない?」

君と一緒にいたいんだ。


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2010.05.19 / Top↑
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